物件情報
築年数 | 築30年 |
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建物のタイプ | 木造2階建て |
家族構成 | ご夫婦+お子様2人の4人家族、犬1匹 |
お住まいの市 | 神戸市 |
施工情報
施工費用 | 約500万円(LDK部分) |
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施工期間 | 5カ月 |
施工場所 | 全面リフォーム |
施工会社 | 住友不動産新築そっくりさん |
開放的な空間を演出
子育て世帯は、「マイホーム」として中古物件よりも新築物件を選びがちです。しかし、中古物件でも基礎や床下、地盤などの状態がしっかりしていれば、リフォームによって耐震・断熱性能を高めつつ、希望の間取りを実現して快適な住まいにリノベーションできます。
今回の施主様は、住友不動産新築そっくりさんのセールスエンジニアの岡本さんご自身。中古で購入した家を自分でリフォームし、理想の暮らしを手に入れました。
特にこだわったのはLDKの部分だといいます。
ここでは、分断されていた間取りを一体化し、家族が集まりたくなるLDKにリフォームした実例を紹介します。
担当
住友不動産新築そっくりさん
・福祉住環境コーディネーター2級
・古民家鑑定士1級
・ホームインスペクター
岡本さん
インタビュアー
・整理収納アドバイザー
・住宅収納スペシャリスト
・ルームスタイリストプロ
藤野さん
広々とした空間に
※上記のスライダーを左右に動かすと
BEFOREとAFTERの間取りをご覧いただけます。
今回は、ご自身で購入された中古物件をリフォームしたと聞きました。2階建ての家の1階部分をリフォームしたということですが、既存の間取りの問題点を教えていただけますか?
間仕切り壁で分断されているLDK
既存の間取りは、キッチンが独立型で、リビングダイニングには間仕切り壁があります。古い家によくある間取りです。
個別に区画されているため、非常に閉塞感がありました。
独立型キッチンでやや閉塞感がある
また、独立型のキッチンはそもそも壁つけのL字型で、暗くて圧迫感がありました。
では、どのような家づくりをイメージして、リフォームしていったのですか?
間仕切り壁がなくなり、一体感のあるLDKに
LDKを一体化し、開放感のある空間になることをイメージして設計していきました。
つながりのあるLDKにするために、キッチンカウンターの向きも対面式に変更しています。
対面キッチンにリフォームし、快適な動線に
料理をしていてもリビングダイニングが見渡せるので、テレビを観たり、子どもたちの様子を見守ったりできるようになりました。
LDKが区切られていると、それぞれの部屋の持つ役割を分けられる点はよいですが、動線的には不便なことが多いですよね。
ビフォーとアフターの間取り図を見ると、間取り自体は大きく変更していないように見えます。
そうですね。玄関を少し広げたり、和室の押入れを洗面所側の物干しスペースに変更したりはしていますが、家の構造を大きく変えてはいません。
もちろん水回りは全面的に新しくし、クロスも張り替えています。ですから、デザイン面でかなり変わったと思います。
テイストがナチュラルな雰囲気にガラッと変わっています。
全体的に「和モダン」を意識しました。LDKはナチュラルテイスト寄りですね。
デザイン面でいえば、キッチンカウンターを見てください。カウンターにある2本の白い柱は、構造上の理由で撤去できなかったものです。そのままにしておくと違和感があるため、飾り棚にしてデザインに取り込んでいます。
新築とは違い、構造の問題で制限がある部分を逆に活かしたんですね。
ほかにも、リフォームならではの工夫はありますか?
リビングとダイニングの間仕切り壁を撤去する代わりに透光型の耐力壁の「パンチくん」を設置しました。
壁がなくなるぶん、どうしても耐震性が下がってしまいます。そこでパンチくんを採用して耐震性をアップさせました。空間を遮らないデザインなので圧迫感もありません。
間仕切り壁の一部に透光型耐力壁「パンチくん」を設置して耐震性をアップ
また、間仕切り壁を撤去することで23帖の広々としたLDKになりますが、柱を撤去した部分については梁補強をして、2階部分の荷重を支えなければなりません。ところが、天井から梁型が突き出るのはデザインとして相応しくないように感じたので、思い切って梁型から外壁ラインまでを下がり天井としました。リビングとダイニングの天井のデザインが違うのは、そのためです。
ダイニングの天井は、床や家具と一体化していて違和感がないですね。天井が下がることによる圧迫感も見られません。
ところで、リビングダイニングの家具は、LDKの雰囲気に合わせて造作されたものですか?
ほとんどの家具は自分で購入しました。
造作したのは、リビングのテレビボードとダイニングのフロートタイプの収納棚です。
フロートタイプの靴箱をダイニングの収納棚として設置
実は、この2つの収納棚はどちらも玄関の靴箱として販売されているものなんです。棚板だけは木製に変えています。
収納の機能としては変わりません。ですが、コストがだいぶ変わってきます。靴箱のほうがコストを抑えられるんです。
たしかに収納棚として機能していれば、問題ないですよね。奥行きもちょうどいいですし。靴箱をリビングダイニングの収納棚として取り入れるという発想はまったくありませんでした。新発見です!
樹脂サッシに
取り替えることで
冬の冷気を遮断
断熱性が乏しいアルミ製のガラス窓
では、窓についてもお聞かせください。
ダイニングの出窓を残さなかった理由はありますか?
ダイニングにある出窓は、アルミ製の単板ガラスで冷気が吹き込んで寒いからです。ものすごく足元が冷え込むんですよ。
フロートタイプの収納棚を設置するために窓の高さを調整しなければなかったのも理由です。
それに、ほかの窓もアルミ製だったため防寒対策は必須でした。
1階トイレは窓から冷気が入って寒い
寒さ対策としてトイレの窓はトリプルガラスに変更
そこで、ダイニングの出窓だけでなく、すべての窓にペアガラスの樹脂サッシを採用しました。トイレの窓だけはトリプルガラスです。
窓を変えただけで、だいぶ暖かくなりましたね。
断熱材や床暖房は入れていないのですか?
もちろん断熱材も床暖房も入れました。ですが、実際に住んでみると樹脂サッシの断熱効果で足元が暖かいんです。だから床暖房はほとんど使っていません。
和モダンの書斎
縁側のある10帖の和室
1階の10帖の和室についてお伺いします。
このお部屋を書斎にリフォームしたのは、リモートワークのために書斎が必要だったからですか?
いえ、リモートワークはしていません。もともと本が数千冊もあり、本棚を置く部屋がほしかったんです。一戸建てに住むなら、書斎をつくるのが夢だったというのもあります。
実際はほとんどの本を手放してしまったので、本棚は置いていません。
和の雰囲気を残しつつ、
モダンな雰囲気も取り入れた書斎
だからこんなに広々としているんですね。
生活していくうちにライフスタイルも変わりますから、部屋の使い方も変わっていくでしょう。この書斎は、将来的にいろいろな使い方ができる気がします。
書斎は全体的にビフォーの「和」の雰囲気を残していますね。古き良きものと新しいものが融合したデザインが印象的です。
はい、すべてをリフォームしてしまうと、もともとあった家の良さまで壊してしまうことになります。良いところは残して新しさをうまく取り入れていけば、違った印象になりますし、コストもかかりません。
照明計画
玄関には間接照明を取り入れて
おしゃれな雰囲気を演出
LDKや書斎は、以前に比べて開放的で明るくなりましたよね。
あとは、部屋の真ん中に照明を設置するのではなく、間接照明を効果的に使っているのがいいなと感じました。
はい、照明計画にはかなりこだわりました。
玄関は吹き抜けでも十分明るいのですが、フロートタイプの靴箱の下に照明を入れています。上からもペンダントライトを吊るして、雰囲気を出しました。
キッチン背面の収納棚の上部にも間接照明を設置
ダイニングの壁にライトを2つ設置
キッチンやダイニングにも間接照明を取り入れて、部屋を柔らかい光で包み込み、リラックスできる空間演出をしてみました。
照明の効果を知らない人は、明るければ明るいほどいいと思いがちですが、照明ひとつ、特に間接照明で部屋の雰囲気がガラッと変わりますよね。
自分の家なので制約もありませんから、照明計画はやりたいことを詰め込みました。
あと、実際にお客様へ提案する前の「実験」の要素も多分にあります。
今回のリフォームで、住む前に課題としていた生活動線が改善されたように見えます。
たくさん収納を増やした印象はありませんが、リビングや洗面所など必要な場所に必要な収納がつくられています。
洗面所に物干しスペースができて、便利になったのではないでしょうか?
そうですね。家族も生活動線・家事動線は快適だと話しています。
ただ、ガス式の乾燥機を試験的に採用したのですが、これがあまりにも便利すぎて、物干しスペースは傘を干すか、除湿器を使っておしゃれ着を乾かすスペースとして使っています。
家内に「一番リフォームして良かった所はどこ?」と尋ねると「ガス式乾燥機があること」と言っていました。
では、最後に注目してほしいポイントを教えてください。
中古物件をリフォームして住むメリットは、なんといっても低コストで住みやすい家づくりが叶うことだと思います。既存の家の良さを活かしながら、自分たちの理想の暮らし方と照らし合わせて改善することが可能です。
今回は築30年ですが構造躯体がしっかりしている家だったので、耐震補強を考慮した若干の間取り変更とサッシ交換、設備を一新してデザインを変えるだけで住み心地の良い家になりました。
抑えられたコストで、今回のようにLDKの一体化や照明計画といった、自分がこだわりたい部分にこだわることができます。
マイホームというと、どうしても新築物件に目を向けてしまいがちですが、中古物件のリフォームにも注目していただけると選択肢が広がると思います。
(整理収納アドバイザー)
より一言
分断されたLDKは、中古住宅によくある間取りです。共働き家庭が増え、家事分担が進む昨今の暮らし方に、古い間取りは合いません。今回は、リフォームでLDKを一体化したことで、動線が格段に良くなったと思います。
靴箱をリビングダイニングの収納棚として使っている点は、まさに目から鱗のアイデアです。工夫しだいでコストを抑えられ、理想の家を実現できることを教えていただきました。
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