物件情報
築年数 | 築17年(2006年~) |
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建物のタイプ | 3DKのマンション |
家族構成 | ご夫婦+お子様2人の4人家族 |
お住まいの市 | 神戸市 |
施工情報
施工費用 | 1,000万円以下 |
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施工期間 | 2カ月 |
施工場所 | 全面リフォーム |
施工会社 | 株式会社アートリフォーム |
家族の個室をつくることを実現
築17年のマンションにお住まいの施主様。長年住むうちにモノが増え、既存の家具では収納が足りないと感じるようになったといいます。さらにお子様の成長に合わせて、それぞれの個室をつくってあげたいとの希望があり、リフォーム相談のために来店されました。
今回は、限られた空間の中で家族の個室をつくりながらも、生活に必要な収納スペースを確保した実例を紹介します。インテリアにこだわりのある施主様のご要望で、おしゃれな雰囲気を演出する工夫もしていますので、そちらにもご注目ください。
担当
アートリフォーム
リフォームアドバイザー
糸数さん
インタビュアー
・整理収納アドバイザー
・住宅収納スペシャリスト
・ルームスタイリストプロ
藤野さん
※上記のスライダーを左右に動かすと
BEFOREとAFTERの間取りをご覧いただけます。
施主様のリフォームの要望を具体的に教えていただけますか?
今回の施主様は約74平米の3DKのマンションに家族4人でお住まいでした。3DKですが、実際にはバルコニー側の部屋をダイニングとしてお使いだったので、実質2LDKですね。
施主様の要望には、
- キッチン収納を増やしたい
- お子様2人の個室をつくりたい
- LDKを広げたい
- 各部屋のWICやクローゼット収納を広げたい
- 全体的に多めの収納スペースを確保
- おしゃれな雰囲気にしたい
などがありました。
限られた空間で洋室1部屋と収納を増やしつつ、LDKを広げるというのは、かなり難しかったのではないでしょうか?
そうですね。その点がもっとも工夫したところです。
一般的にはバルコニー側の洋室を個室2部屋に変えればいいのではないかと考えがちですが、それでは間取りに変化がなく、リフォームの意味がありません。玄関側に部屋を増やすというご提案ができたことは、今回のリフォームのポイントの一つだと思っています。
家事動線が遠く、使いにくかったダイニングを
リビングスペースに
バルコニー側の部屋をリビングにしたのは、どういった理由ですか?
施主様から3部屋の洋室は少し狭くなってもいいというお話があったからです。あえて玄関側に3部屋分のスペースを確保しました。
とはいえ、キッチンの位置を窓側にずらすと、リビングとして使っていたスペースが狭くなってしまいます。そこで、これまでのリビングスペースをダイニングにして、バルコニー側の部屋をリビングにすることを提案させていただきました。この間取りなら、LDKを広げたいというご要望も同時に実現できます。
施主様にもとても気に入っていただきました。
変更することでスムーズな家事動線に
対面式のカウンターキッチン
バルコニー側の引き戸の部屋はずっと扉を開けたままで、ダイニングとして使っていたそうですね。ビフォーのリビングダイニングを見ると、キッチンとダイニングテーブルが対角線の位置にあります。
お料理や食器などを運んだり片付けたりするときに、かなり面倒だったのではないでしょうか?
はい、食器棚の位置が遠く、家事動線が良くないという点には、かなりストレスを感じていたようです。
今回のリフォームで、ダイニングテーブルをキッチンのすぐ横に設置していますね。配膳の動線がスムーズになったのではないですか?
キッチンの向きを変え、
フラット対面にすることで家事動線を短縮
はい、動線が非常に短くなりました。マンションの場合は、換気扇ダクトや排水管の位置をあまり動かせないことがありますが、今回のマンションは、幸いどちらも動かせる構造だったため、キッチンの向きを変えることを提案しました。
この発想は、お客様からはなかなか出てこないものだと思います。
ダイニング・キッチンとリビングの配置が変わり、生活空間にメリハリができたように見えます。これならリビングに寝転がってくつろげそうですね。
バルコニー側の部屋の引き戸をなくしたので、開放感のあるリビングになりました。くつろぐスペースと食事するスペースが交差しなくなり、快適に過ごされているようです。
また、キッチンの向きを変えてフラット対面にしたため、料理しながらでもテレビを見ることができるようになりました。
キッチンの収納不足を解決
キッチンの向きを変えたことで
背面収納の収納力が大幅アップ
キッチンの向きを変えたことで、背面につくれる棚が増え、収納不足の問題が一気に解決しましたね。
そうなんです。キッチンの向きを変えないままだと、背面収納はビフォーの収納力と大差がありません。収納を増やすためには、キッチンを90度向きを変えて、壁面の幅を広げることが必要でした。収納力をアップさせる意味でも、キッチンの向きを変えたことは大きなポイントです。
また、家事動線に影響が出ないよう、キッチン家電が置かれている棚はスライド式になっています。たとえば炊飯器は使うときだけ手前に引き出して、蒸気が棚の上段に当たらないようにできます。
使っていないときは引き戸を閉めておけるため、キッチンで料理をしていないときは生活感が出ません。全体的にスッキリとした印象になりました。
「隠す収納」と同時に、使い勝手の良さも実現できるのは理想的ですね。
インテリア面でいうと、キッチンカウンターの背面の柱を飾り棚にしているのが素敵だなと思いました。
オシャレにしたいとご希望だったので、すべて「隠す収納」にするのではなく柱の部分を飾り棚として活用できたほうがいいのではないかと思い、提案させていただきました。施主様と相談して、単なる長方形ではなく家の形をイメージしています。
リビングから見たダイニング・キッチン。
背面収納の扉を閉めると生活感をなくせる
背面収納の左隣に既存の茶色い食器棚がピッタリと収まっていますが、これはこの食器棚を置くことを想定してスペースを空けておいたのですか?
そうです。施主様がお持ちの家具を活用できるサイズでつくっています。部屋のデザインも、ナチュラルテイストの家具に合うように相談して決めました。
明るい子ども部屋
お子様の好きな色のクロスを取り入れた子ども部屋。
明るさを確保するために室内窓を設置している
子ども部屋は、それぞれ4帖と4.9帖のスペースですが、かなり広く見えますね。
部屋自体はリフォーム前の個室よりも狭くなりましたが、クローゼットのスペースを確保したので、十分に収納できてスッキリ見えるからだと思います。家具も勉強机とベッドのみ。室内窓を設けて、明るくしたのも広く見える要因です。
室内窓は、キッチンと玄関側の部屋の間にある部屋にエアコンを設置していないので、空気を循環させ、冷気や暖気を取り入れる役割も果たしています。
子ども部屋はクロスのカラーが特徴的ですね。それぞれ色を変えた理由は何ですか?
クロスのカラーはお子様のお気に入りの色を選んでいます。部屋を開けた瞬間に、自分の部屋だと認識できるようにするためです。お子様たちもとても喜んでくださっています。
このように、子ども部屋やトイレのクロスには施主様のこだわりを取り入れました。
特に、子ども部屋の反対側にある部屋のウォークインクローゼット(WIC)のクロスは、奥様のお気に入りです。部屋に採用するには目立ちすぎるデザインですが、WICの中なら外からは見えません。ですが、毎日使う場所なので、洋服を選ぶたびにクロスを眺めてウキウキした気持ちになるそうです。このように、ちょっとした工夫で喜んでいただけるような提案もさせていただいています。
デザインと利便性を重視
水回りは部屋全体の雰囲気に合わせた
ナチュラルテイストのデザインに
トイレや洗面室は必要なモノが収納できるだけのスペースが十分にあったようですが、水回りで大きく変わった点はありますか?
全体的にデザインを変更しました。トイレについては、飾り棚として使える棚板を設置したり、クロスと天井を木目調にしたり…。洗面室は、棚板をナチュラルなものに変更して、テイストを統一させました。
ほかに変更したところはありますか?
洗面室には、施主様のご要望で室内干し用のパイプを天井から吊り下げることにしました。一時的にモノを掛けられるので、とても重宝しているそうです。
あとは、10cmほどではありますが、洗面台を広げています。広くなったことで、以前よりも洗面台が使いやすくなったと思います。
最後に、特に見てほしいポイントを教えてください。
全部と言いたいところですが、しいて言えばキッチンを動かした点でしょうか。
実は、リフォームは割と何でもできるんです。部屋を増やしたいというご要望があれば、今回のようにキッチンを動かすことでも対応ができます。もちろんある程度の制約はありますが、自由度がかなり高いことは知っていただきたいですね。
(整理収納アドバイザー)
より一言
リフォーム相談で多いのは「収納が足りない」こと。今回のリフォームは、キッチンの収納棚や各部屋のクローゼットに十分な収納スペースを確保できました。おかげで、部屋が少し狭くなったにもかかわらず、圧迫感なく全体的にスッキリして見えます。それは必要な場所に必要なモノがすべて収納できるようになったからです。
限られた予算の中でキッチンを動かすのは大変だったようですが、施主様も希望どおりのリフォームができて、きっと満足されたことでしょう。
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