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住宅ローンを組むなら、やっぱり控除は活用したいな。
でも、控除ってどれくらいお得になるんだろう?
住宅ローンの控除について考えているんだね。
せっかくある制度だし、ぜひ控除は活用した方が良いよ
控除って、難しそうなイメージがあります
やったことがないと、どうしても難しく感じてしまうよね。それじゃあ、住宅ローンの控除について見ていこう!
「おうちアプデ研究所 マネー部」の家のお金に詳しいマネー博士。「お得な家づくり」の実現に向けて研究に取り組んでいる。
30歳夫婦+子ども1人(結婚4年目、子ども3歳) 購入した中古住宅のリフォームを検討している。住宅ローン控除や補助金などが存在することは知っているが詳しい内容がわからないため、いろいろと情報収集している。
私たちの家族を
モデルケースに
しています
これから中古住宅を購入してリフォームをしようと考えている方や、現在住んでいる住宅を
リフォームしたいと考えている方のなかには、
住宅ローンを組むことを検討している方も多いのではないでしょうか。
お得にリフォームしたい方におすすめなのが、住宅ローン控除(減税)の利用です。
一定要件を満たした方は住宅ローン控除が適用されるため、所得税(一部翌年の住民税)をおさえられます。
今回は住宅ローン控除の適用要件や手続き、注意点について解説します。
住宅のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
住宅ローン控除とは?
住宅ローンの控除って、
聞いたことはあっても詳しくは知らない人も多いんだ
たしかに、具体的にどういうものなのか知りませんでした
大丈夫!ここでしっかりと
住宅ローンの控除について見ていくからね
(減税)とは
住宅ローン控除(減税)とは、年末時の住宅ローン残高の0.7%が最大13年間にわたって、
所得税(一部翌年の住民税)から控除される制度です。
国が住宅購入やリフォームを支援するために設けられています。
国が支援する背景にあるのは、経済の活性化および地球環境への配慮(SDGs)の観点です。
経済の活性化
住宅購入が促進されると、ハウスメーカーや金融機関、家電、インテリアなど、さまざまな業界が活性化するため、経済効果に大きな影響を与えます。
地球環境への配慮(SDGs)
SDGsの観点では、日本は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目標に掲げています。この目標を達成するために、長期優良住宅やZEH住宅、省エネ基準適合住宅のような環境に配慮した高性能な住宅ほど、多くの控除を受けられるように設定されていますよ。
現在の住宅ローンは変動金利だと0.3〜0.4%台で借りられる金融機関が多いよ。住宅ローン控除を利用すれば、支払っている金利よりも多くの金額が控除されるね。
住宅ローン控除が
適用される条件
住宅ローンの控除って、実は色んな種類があるんだ
そうなんですか!控除って1種類だけだと思ってました
家の種類によって、住宅ローンの控除も
いくつかの種類に分かれるんだ
最大控除額が異なります。
新築/
既存等 |
住宅の
環境 性能等 |
借入限度額
|
控除期間
|
|
---|---|---|---|---|
令和4
・5年入居 |
令和6
・7年入居 |
|||
新築住宅 |
長期優良住宅・低炭素住宅
|
5,000
万円 |
4,500
万円 |
13年間
|
ZEH水準省エネ住宅
|
4,500
万円 |
3,500
万円 |
||
省エネ基準適合住宅
|
4,000
万円 |
3,000
万円 |
||
その他の住宅
|
3,000
万円 |
0円
|
||
既存住宅 |
長期優良住宅・低炭素住宅
|
3,000万円
|
10年間
|
|
ZEH水準省エネ住宅
|
||||
省エネ基準適合住宅
|
||||
その他の住宅
|
2,000万円
|
自らが居住するための
住宅であること
床面積が50㎡以上
であること※
合計所得金額が2,000万円
以下であること※
住宅ローンの借入期間が
10年以上であること
引き渡しまたは工事完了から
6か月以内に入居すること
居住用途である必要があります。また、実際に控除が適用されるのは居住用途部分のみです。たとえば、
居住部分が60%、店舗部分が40%の場合、住宅ローン控除は60%減額されます。
なお、住宅ローン控除の床面積の対象になるのは登記簿面積です。物件のパンフレットなどに記載されている面積(壁芯面積)とは異なるケースがあるため、必ず登記簿上の面積を確認しましょう。
登記簿面積は壁芯面積よりも小さいことが多いから、50㎡以上の物件でも必ず登記簿謄本を確認しよう。
行ったうえで再度販売に出される住宅のことです。
買取再販住宅で住宅ローン控除の適用を受けるには、
新築住宅の要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。
既存住宅が新築された日から
10年を経過していること
工事費用が売買価格の20%に
相当する金額であること
1982年以降に建築または現行の
耐震基準に適合していること
売主である宅建業者が既存住宅を
取得した日から2年以内に購入していること
取得する物件が要件を満たした
工事を行っていること
具体的な工事費用や工事内容は売主である宅建業者にしかわからないから、買取再販住宅を購入する場合は、住宅ローン控除の適用要件を満たしている物件であるかを確認しよう。
中古住宅で住宅ローン控除を受けるには、新築住宅の要件に加えて
耐震基準の要件を満たす必要があります。
1982年以降に建築または
現行の耐震基準に適合していること
新耐震基準が適用されているのは1981年6月1日以降に建築確認を取得した物件です。
建築確認とはこれから建築する物件が法令に適合しているかを確認することであり、
竣工日とは異なる点に注意しましょう。
住宅ローン控除では、1982年以降に建築された建物はすべて新耐震基準として取り扱っています。
1981年以前に建てられた住宅に関しては、耐震基準を示す耐震基準適合証明書などの提出を求められます。
耐震基準適合証明書は建築士に依頼して発行してもらう必要があるよ。耐震基準を満たしていない場合は補強工事が必要になる点に注意が必要だね。まずは、建築士に依頼して耐震診断を実施しよう。
リフォームでも
住宅ローン控除を受けられる
実はリフォームのときにも住宅ローンを使えるんだけど、
リフォームで使った住宅ローンの控除もあるんだよ!
リフォームでも控除があるなんて知りませんでした!
控除があるなら、ぜひ使いたいよね。
控除を受けるための要件や他の減税制度について見ていこう
思われがちです。しかし、住宅ローンおよび住宅ローン控除はリフォームでも適用されます。
ここからはリフォームで住宅ローン控除を受けるための要件や、他の減税制度について解説します。
受けるための要件
住宅ローン控除を
受けるための要件
住宅ローンを利用して以下の要件に該当する住宅の増改築(リフォーム)を行った場合、
住宅ローン控除が適用されます。
建築基準法に規定する大規模な修繕
または大規模の模様替えの工事
区分所有建物の床、階段または壁の過半に
ついて行う一定の修繕・模様替えの工事
居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関
または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
耐震改修工事
一定のバリアフリー改修工事
一定の省エネ改修工事
自らが居住するための
住宅であること
床面積が50㎡以上であること
(床面積の1/2以上が居住用途)
住宅ローンの借入期間が
10年以上であること
民間の金融機関や独立行政法人住宅金融支援
機構などの住宅ローンを利用していること
補助金を差し引いた工事費が100万円を超え
ていること(1/2以上が居住部分の工事費)
住宅の増改築等の日から
6か月以内に居住していること
控除を受ける年分の合計所得金額が
2,000万円以下であること
リフォームで住宅ローン控除を受けるには、工事内容が要件を満たしている必要があるよ。事前に住宅ローン控除を受けたい旨を施工業者に伝えてリフォーム内容の打ち合わせをしよう。
受けられる
一定要件を満たした工事を行った場合に控除が適用されます。
対象の工事は以下の通りです。
耐震工事
同居対
応工事
長期優
良住宅
化工事
バリア
フリー
工事
省エネ
工事
控除期間は1年であり、
具体的な控除額は
以下の通りです
性能向上リフォームの
標準的な工事費用相当額の
10%
性能向上リフォームの
限度額超過分と
その他の増改築工事費用額の
5%
対象工事
|
最大控除額
|
---|---|
耐震工事
|
62.5万円
|
バリアフリー
工事 |
60万円
|
省エネ工事
|
62.5万円 もしくは
67.5万円 ※工事内容による |
同居対応工事
|
62.5万円
|
長期優良
住宅化工事 |
62.5万円※1 もしくは 75万円※2(80万円※3)
※1.(耐震または省エネ)+ |
予定しているリフォームが減税制度の対象になっているかを確認しましょう。
リフォーム減税は耐震工事限定で住宅ローン控除と併用できるよ。
住宅ローン控除の計算方法と
シミュレーション
控除を受けるときに気になるのが
『どれくらい節税できるか』だよね
どれくらい節税できるか分かれば、
住宅ローンに対する不安も小さくなります
そうだよね。ここでは、住宅ローン控除の計算方法と
シミュレーションについて見ていくからね
シミュレーションする必要があります。
なぜなら、自分の年収や返済スケジュールによって受けられる控除の額が異なるためです。
たとえば、Aさん一家が中古住宅で、長期優良住宅や低炭素住宅に該当する
高性能な住宅にリフォームする場合、最大の控除額は以下の通りです。
最大の控除額 : 3,000万円 × 0.7% × 10年 = 210万円
具体的に以下の条件で借り入れをした場合のシミュレーションを見ていきましょう。
住宅ローンなら…
● 住宅ローン:3,500万円
● 金利:0.5%
● 借入期間:35年
● 返済方式:元利均等返済
● 毎月返済額:90,854円
● 返済開始時期:2023年8月
年
|
住宅ローンの
年末残高 |
控除額
|
---|---|---|
2023年12月
|
34,618,326 円 |
210,000円
|
2024年12月
|
33,699,060 円 |
210,000円
|
2025年12月
|
32,775,187 円 |
210,000円
|
2026年12月
|
31,846,683円
|
210,000円
|
2027年12月
|
30,913,527円
|
210,000円
|
2028年12月
|
29,975,694円
|
209,829円
|
2029年12月
|
29,033,160円
|
203,232円
|
2030年12月
|
28,085,904円
|
196,601円
|
2031年12月
|
27,133,901円
|
189,937円
|
2032年12月
|
26,177,125円
|
183,239円
|
上記のシミュレーションだと借り入れ6年目から年末残高が 3,000万円 を下回るため、
最大限の控除を受けられなくなります。
住宅ローン控除を最大限活用するには、購入してから10年間
年末ローン残高が 3,000万円 を下回らないようにする必要があります。
目安として年収620万円の方は、所得税が
20万円であるため、
10年間年末ローン残高が 3,000万円 を下回らなければ、年間の所得税が0円になります。
自分の年収をもとに所得税や住民税を把握して、最も節税効果が高くなるラインを判断しよう。給与明細を確認すれば所得税がいくら引かれているかわかるよ。
住宅ローン控除の適用を
受けるための手続き
住宅ローンを組めば
自動的に控除を受けられるわけじゃないからね
やっぱり、控除を受けるには難しい手続きが必要なんでしょうか?
心配する必要はないよ!
ポイントさえ押さえておけば、手続きはそんなに難しくないからね
所定の手続きが必要です。
住宅ローンを組んだ年と2年目以降で手続き方法が異なるため、それぞれについて解説します。
馴染みの薄い確定申告ですが、手続きを行わなければ控除が受けられない点に注意しましょう。
確定申告では主に以下の書類が必要になります
必要書類
|
取得場所
|
---|---|
確定申告書
|
国税庁のHP・
税務署 |
(特定増改築等)
住宅借入金等特別控除額の 計算明細書 |
国税庁のHP・
税務署 |
住宅取得資金に係る
借入金の年末残高等証明書 |
金融機関
|
登記事項証明書
|
法務局
|
増改築等の請負契約書
|
リフォーム会社
|
市区町村からの
補助金決定通知書 (補助を受けた場合) |
自治体の役所
|
贈与税の申告書
(住宅購入にあたり 贈与を受けた場合) |
自己所有
|
増改築等工事証明書
|
建築士や
評価機関 |
源泉徴収票
|
勤務先
|
確定申告の方法がわからないときは税務署で教えてもらえるよ。3月15日が近づくと税務署も忙しくなるからなるべく早いタイミングで相談しよう。
年末調整の時期にかけて届く以下の書類を勤務先に提出しましょう。
(特定増改築等)
住宅借入金等特別控除申告書
住宅取得資金に係る
借入金の年末残高等証明書
自営業者は毎年確定申告が必要なので、忘れずに申告しよう。確定申告に関する情報はインターネット上にたくさんあるから、その中から信頼できる情報を選ぼうね。
住宅ローン減税の注意点
ぜひ活用して欲しい住宅ローンの控除だけど、
気をつけて欲しいこともあるんだ
どんなことに気をつければいいんでしょうか?
決して難しいことじゃないから、安心してね。
2つの注意点を覚えておけば大丈夫だよ
住宅ローン控除の注意点は以下の2つです。
還付申告を行う
還付申告の期限は5年間であるため、期間内に忘れずに手続きをしましょう。
一方、毎年確定申告が必要な自営業者の方が住宅ローン控除の申請を忘れた場合、
更正の請求ができる可能性があります。
更正の請求とは本来よりも多くの税金を納めた際に、税務署に還付を求める行為です。
更正の請求が認められるかどうかは税務署によっても異なるから、忘れずに申告するのが1番だね。
計画的に行う
住宅ローン控除は年末時点の住宅ローン残高に応じて控除額が決まるため、
繰り上げ返済をすると本来適用されるはずだった控除が受けられなくなる可能性があります。
繰り上げ返済は控除期間終了後に行うなど、最大限の控除を受けられるよう計画的に行いましょう。
10年間の間に繰り上げ返済の資金を確保しておくのが賢い方法だね。損をしないように、住宅ローンは計画的に活用しよう。
リフォームでは
住宅ローン控除を活用しよう
住宅ローンの控除って、こんな仕組みになってるんですね。
すごくよく理解できました
こんなにお得なら、活用しなきゃもったいないですね
ちゃんと理解してくれたみたいだね。
住宅ローン控除(減税)は、国が住宅購入や
リフォームを支援するために設けている制度で、
住宅の種類によって控除額は変わってくるんだ。
だから、住宅ローンを組む前に
控除の要件を満たしているかどうかを確認しておこうね
住宅ローンを組む人にとっては、本当に心強い制度ですよね
そうなんだ!住宅ローン控除を活用して、
お得に家を購入したりリフォームしたりして欲しいな
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